* 「んん……」 明け方。 バイト暮らしのときの癖で、自然と早くに目が覚める。 壁にかかるおしゃれな時計に目をやると、時刻はまだ六時前。 んーーっ。と大きく伸びをして起き上がると、バサリと床に何かが落ちた。 「あれ? タオルケット」 落ちたタオルケットを拾い上げ、寝室のドアを振り返る。 「やっぱり、根はいい人なんだろうな」 些細な気遣いに頬を緩ませ、顔を洗ってから朝食の準備に取り掛かった。