「そっかぁ。あかり、知らなかったんだー。俺も、まだまだだなぁ」 凌は、相当残念そうに呟き、声を小さくしていく。 「あたし、雑誌なんて見ないし」 残念そうにしている凌に、あたしは不貞腐れたように言う。 すると。 「え? なんで? ファッション誌とか、興味ない?」 「そうじゃなくて」 あたしは、呆れてしまう。 「親父の借金、まだ残ってんの。あたし、それ返すためだけに今まで生きてきたから」 口を尖らせて抗議した。