社長が言った、引き受けたら断れないというのは、こういうことだったのか、と今更納得した。 きっと目の前のこいつが、何らかの強引な手段を使ったに決まっている。 しかし、アフターカーニバルっていうやつだ。 後悔しても、時既に遅し。 こんちくしょーっ。 少し前までは熱かったはずのカップを両手で包み、チラリと視線を目の前の男へ向ける。 上げた視線の先では、満面の笑みがあたしを迎えた。 「うっ……」 その笑顔に耐えられず、すぐに視線を逸らした。 そのまま見続けていたら、悪い病気に侵されそうだ。