なおくんが一服のタバコを隣で吸っていた。 私はタバコの臭いがあまり好きじゃなかったはずなのに、 なおくんの吸うタバコの臭いは嫌いじゃなかった。 「あれ…さっき、気づかなかった… なおくん、刺青(いれずみ)、入れてる の…?」 「…え?あぁ、これな…。うん。」 なおくんの右腕いっぱいに、桜が 舞っていた。 一匹の龍と共に 「……………綺麗…………」 無意識に、口からこの一言がこぼれた