寧音は俺の腕に手を回して来て一緒に堤防まで歩いた。



「って言うかどうして海なの?」

「前に約束したから。」

「何を?」

「花火。見に行けなかったからさ…。」

「花火なんてやってないよ?」

「寧音、俺を誰だと思ってんだよ。」



俺がそう言うと寧音は何かに気付いたらしい。



時計を見るともう時間。



「時間だ。」

「マジで…。」



その時に打ち上がった花火。



寧音は涙を溜めながらそれを見てた。



「寧音、俺アメリカ行く。」

「ん…。」

「すげぇ苦労かけるけど…。でも必ずお前達を幸せにするから。命に変えてもお前らは俺が守る。だから…俺と結婚してください。」

「………。」



ネコみたいな目が泣いてる。



大粒の涙がポタポタと地面に落ちた。



「ここまですんなバカ…。」

「だって寧音がムードなしじゃ返事しないって言ったから…。」

「これからお金かかるのに~!!この花火にいくら使ったわけ!?」

「車の半分くらい…。」

「本当にバカ!!こんなに打ち上げんな!!」



確かにバカだな俺…。