ボッと、音が出たんじゃないかと思うくらいに顔が熱くなる。 ファーストキスだった。 “ファーストキスは好きな人と” 夢だったそれは、さっき彼によって破られてしまった。 普通なら泣いたり怒ったりするはずなのに、 なぜか嫌じゃない自分がいる。 「名前........なんていうのかな.....」 『またな』 そう言った彼。 家も何にも分からないのに...... どうやって会うっていうのよ。 ぼんやりとしてくる意識の中、 私はゆっくりと目を閉じた。