顔を引きつらせる私だったけど 「この板外せるから登んなくてもいいよ?」 なんて平然と言う彼の言葉にホッとする。 ガタ────── 彼は板を1枚外し、横に立てかけた。 塀を抜ければそこは確かに私が今日通った道。 「や、やったあ!!」 これで帰れるよ私! 大喜びする私の隣で、板を戻し終えた彼は 「この道、誰にも教えちゃだめな?」 となんとも色っぽく唇に人差し指を置いて言ってきた。 「う、うん!」 大きく頷くと、ふわりと微笑み...... チュッ──────