蝶のように舞
蜂のように刺す
その言葉がぴったりだと思った
この人がいるところだけ
世界が違う
素直にそう思った
喧嘩しだして2分程度で終わった
でも、その2分程度がとても長く感じた
喧嘩が、終わると同時に目深に被っていたフードをとったその姿は、
見ている人を惹きつけるような
そんな容姿を持った女だった
その女は、ミルクティー色の胸下ぐらいまでの髪をなびかせながら
こちらに向かってくる
僕の目の前で止まったこの女の目は、
真っ黒で、全て見透かしてしまいそうな目をしていた
その目が僕の視線をとらえる
見透かされそうでそらしたいのに
そらせない
そして、その女は、話かけてきた

