無我夢中で走って辿り着いたのは、
さっき見たイチョウの木
近くで見ると意外と大きい
4mありそうな木
風が吹くと ヒラヒラと葉が舞って
地面に落ちる
1秒に何枚も
次々と葉が落ちてくる
葉が落ちるのは
このイチョウの木の葉がなくなるまで
ずっと
そして
自分の口から出たのは、
「 この木みたいね 」 と
自分を嘲笑うかのような言葉
そんな事を言っても、何も変わらないのに
「バカみたい 。 ホント 」
「何がバカみたいだって? 失恋でもしたのか?転入生さん 」
誰? どこにいるの??
周りをみても誰もいない
すると木の裏から赤茶色の髪をした
美男子がこちらに向かって歩いてくる

