千秋said
悠里が去った場所に立ち尽くしたまま
考えていた
『これ以上迷惑かけられないものね』
あの時の顔は、
酷く悲しそうだった
今までって言っても今日が初めてだけど
一瞬もそんな表情をしなかった
特例というか滅多に転入生なんてこねぇ
今までも、片手で数得るほどしか受け付けなかったらしい
ここ十年いなかったのに
急に受け付けた転入生
それなりのワケ持ちでもおかしくねぇ
これは、調べる価値あるかもな
興味本位で話しかけたのが悠里
話していっても感情をあまり出さなかった
それに、何か隠している
ずっとそれを隠しながら話していた
面白そーじゃねぇーか
そう思い ある奴にメールをした
これから、面白くなりそーだ
なんて思いながら
クツクツと喉を鳴らしながら笑った
「覚悟しとけよ、悠里」
そう口にした
said END

