不思議な姫



あの人は、優しいから

迷惑なんかじゃない、って言ってくれる


だけど、考えると
頼りすぎてるようにも思えてくる


これからも、多分迷惑かけるんだから

こんな自分の不注意で迷惑をかけたくない


千秋に
「ありがとう、助かったわ」

それだけ言うと
靴箱を閉めて 千秋に何か話される前にと 足早にその場を去った


振り向きざまに、千秋の目が何かを探るような風にみていた


だから、不自然かもしれなかったけど

詮索されるより

「まだ、ましよね」 と

自分に言い聞かせるように声に出した