不思議な姫



残りの授業は、自習のみなので帰ってもいいよね


今日は、お昼持ってくるのも忘れたし


そう思い、鞄を持ち変えろうとすると先ほどの彼、駿平とその周りの人達が声をかけてくれる


それにをまとめて答えながら、教室を後にした



廊下には、人がごった返していて正直酔いそうにもなった


人の横を通るたび、変わる香水の匂いが嗅覚を刺激する



その匂いに耐えられなくなり息を止めて小走りで下駄箱まで向かった




はぁはぁと肩で息をしているから落ち着くのを待ちゆっくりと歩いて下駄箱に
向かう


靴をはくのを
わけもなく急いだ


それは、
視界ギリギリに ある人物が入ったから


「転校早々、サボりか?やるなー、悠里」

なんて、頭の後ろで手を組み歩いてくる


「 … バレなきゃ、大丈夫よ 」


「真面目な転入生が居ないとバレるだろーに」

なんて言いながら、あたしの目の前に止まると


「忘れ物だぜ、これ鍵だろ 」

そう言いながら渡してきたのは、

あたしの家の鍵で

「全く、気づかなかった。 ありがと 」


手にある鍵を 引っ込めようとすると

その手を掴まれ

「 落とさねぇように気をつけろよ 」

そう言って、手を離された


「そうね、これ以上迷惑なんてかけられないものね 」