不思議な姫



教室につくと授業中のはずなのに賑やかで、先生の声すら聞こえない


黒板を見る限り、今は、古典の授業中なのだろう


古典の先生は、失礼かもしれないがヒョロヒョロで痩せこけている

ただでさえ、か細い声なんだろうに


頑張って声を張り上げても、喉が潰れるで終わるんだろうね


なんて思いつつ、ノートを出して黒板を板書して微かに聞こえる先生の声をメモする


ただそれだけのことなのに、聞くのに集中しすぎて疲れた



途中から授業に参加したから、30分もいなかったんだろうけど


疲労感が半端じゃない



それから、2時限もの間微かに聞こえる声を聞きこぼさないようずっと集中していたおかげで、どっと疲れた


前の方の席ならもう少し聞きやすいんだろうな


休み時間になった今授業中よりも数倍煩くなった教室


前の席変わってくれそうな人いないかな?


・・・いた


人の良さそうな茶髪の男子が


彼の近くまで来て歩いて行くと、彼はあたしに気づいたのか視線をこちらに向けている


「突然で悪いんだけど、席変わってくれない?」と聞くと


「いいぜ」と笑顔で答えてくれた


机を動かすのは、めんどくさいので荷物だけ入れ替えた


彼に「ありがと」とお礼を言い名前を教えてもらい自分の席についた