「 来ました、会いに 」
そう言って優しい笑顔で私の目の前に
いるのは、昨日気まずいまま別れた
篤人くんがいました。
来てくれた事、
たったそれだけの事だけど…
本当に本当に何だか私、今すごーく
ドキドキして、高鳴ってる。
「 …あ…昨日は…えっと… 」
何か話さなきゃと思い焦るあまりに
昨日の事を出してしまう自分。
目の前にいる篤人君を見上げるけど
昨日のあの事が脳裏に映り……
下を向いてしまった。
「 …昨日は… 」ともう一度口にした時
篤人君が「 あのさ… 」と遮った。
「 え? 」と思い見上げると、
クッと口角を上げて笑ってくれた。
「 いずみさん…俺、寒いっす! 」
「 え?? 」
「 また紫になるの恥ずいんで… 」
「 え、あ、あぁ!は、入ろう!! 」
私ってば…本当に気が利かない!
美羽達に声をかけ、
先にお店に入って行った。
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