あの日の光景が、あの日の気持ちが
また鮮明に蘇る。
「 美羽…私…さぁ… 」
「 …うん 」
美羽は全てを知っている唯一の人。
あの日から、その前からも、ずっと
私の隣で何も言わずに毎日……
支えてくれていたのは、美羽。
「 あの日から泣いた事なかったの。人前でも、自分一人になっても…ずっと 」
「 …確かに。そうだね 」
「 私ね…多分…覚悟してたんだよ。だからあの人を引き止める事…しなかったの。離れる事…分かってたのかも。」
「 いっちゃん… 」
美羽がずっと私を気に掛けてくれて
いつも真剣に心配してくれてて。
言葉をかけるわけでもない、ただ
黙ってずっとそばにいてくれた。
「 篤人君には本当…悪い事したなって今更だけど本当に反省してるの。」
「 いっちゃん… 」
「 本当不思議なの…何であの場所で涙が出ちゃったのかが(・・;)今更ね… 」
美羽は、少し考えてから
私の言葉を拾い聞いてくれた。
「 きっとまだ残ってるんだよ…それは悪い事じゃないし無理矢理消す事でもないし。いっちゃんきっと最後まで我慢したからじゃない?言いたい事ないはずないもん?だから…今更…ね? 」
美羽があったかい珈琲を入れてくれた。
「 ありがとう 」と受け取り一口。
寒い朝、ストーブであったまる部屋、
だけどやっぱり冷んやりするせいか
珈琲のあったかさが体に染みた。
「 あぁ〜あったかい…昨日みたいだ 」
「 昨日?? 」
つい思い出した。
昨日、篤人君といた時の事…
「 きっとさ寒いの我慢してくれてたの篤人君。唇が紫色になっててさ(笑)」
「 わぁ、それは相当な我慢だよ?」
「 うん本当(^^)だから缶コーヒー買って渡したらすぐに唇の色戻ってね(笑)本当何だろなぁ〜可愛いなぁって 」
思い出すとクスクス笑ってしまう。
そんな私を美羽はニヤリと笑い
ずっと見ていた。
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