誰といた??

頭の中を駆け巡る篤人君の言葉。

それと同時に、私の脳裏に浮かぶ

あの人の姿…鮮明に映し出される






私の瞳に映るのは目の前の篤人君

なのに、私の記憶にはまだ、まだ

…こうしてすぐに蘇ってくるよ。








「 …… いずみさん?? 」


「 …… あ、えっとー… 」








気がつくと、目の前がボヤけてた。

篤人君の顔が揺れて見えにくくて。

最初は気づかなかった……

だって、そう、あの日から私は…







「 ……い…ずみさ…ん… 」


「 ……… あ……… 」







篤人君の顔がまたハッキリと

見えた時、私の手に一粒の涙が

落ちてきた。








「 …… ご、ごめん…あれ?え… 」






自分でも意味がわからなくて…

あの日、あの時から私は、

自分ひとりでも、人前でも、

泣かなかったのに。

涙も出なくて、泣きたくても

涙がこれっぽっちも出なかった。







なのに…なのに…どうして…今??

しかも…篤人君の…目の前で…








「 …… ご…ごめん…私…今日おかしいな??ね?…あは…ははは 」







篤人君は黙ったまま私を見ていた。






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