いずみさんはクスっと笑った。

そして、優しい笑顔で

「 篤人君は優しいね 」と

ゆっくり視線を夜景に向けて

そう言ってくれた。








「 こんなに街が見下ろせる場所があったんだね〜全然知らなかったよー」







いずみさんは真っ直ぐ前を見つめ

自分達がいつも生活する街を

贅沢にも見下ろしていた。






確かに…今日は天気もいいし

星空も綺麗に見え広がっている。

モヤがかかっていないおかげで

スッキリと鮮明に夜景が広がる。







「 篤人君はよく来るの、ここ?」



「 え、俺?? 」







知ってるはずもなく(・・;)

京介に急遽教えてもらったんだ。

京介は意外とロマンチストだから

夜景の穴場とかは頭に何百と

インプットされている…らしい。









「 や…正直、全然わからない。 」


「 え〜そうなんだ?でもココ人もいないし穴場っぽくて、いい感じだよ!!」



「 え、うーん、確かに… 」







ど、ど、どうしようか(>_<)?

京介に聞いたって

ダサ過ぎて言えないだろし。









「 夜景とか見るだけで何だろ?人見知りが溶けてきたかも(笑) 」



「 え、本当?? 」



「 あはは(笑)ね?うん、何かわかんないけど?夜景パワーってやつかな?」








夜景パワー。

うん、でも、確かにそうかな。

俺もかなり、夜景を見ていて

段々落ちついてきたかも?





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