スタッフルームから何やら声が
聞こえてくる。
「 俺いっちゃん可愛いと思うけどなー」
あの声は智史だな。
「 でしょ!そうなの!この子本当ーに
可愛いし魅力あるんだよ!!」
あのうるさい声は、美羽だな。
俺は受付で作業をしながら耳を裏にある
スタッフルームに傾けた。
くだらない会話がやたら耳に入って
更に気を紛らわしていた。
だいたい…
あいつのどこが可愛いんだよ!!
三十路にもなって "可愛い"って(笑)
…智史も何、褒めちゃってんだ??
「 なのに…恋人が出来ないんだよ 」
「 んー。。。性格も悪くないのにな?」
まだあの二人褒めちゃってるよ。
何でそんな褒めちゃってるんだ?
確かに、恋人話は全く聞かないが
三十路になって恋人がいない現実。
仕事が好きで仕事が生き甲斐な女
「 …あ、俺もじゃん… 」
考えれば、俺もあいつと一緒。
三十路、独身、仕事一筋 (笑)
…… 悪くないだろ 全然 。
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