【姫央♀side】



つつつ、ついに来てしまった…。



運命の、この時が。



「姫央ー!準備するからもうでるぞ」



そう、今日はついに。



婚約者と御対面する日。



おかげで今朝の気分は、濃い過ぎるぐらいのブルーだ。



「お父さんは先に行ってるから、お前はお母さんと後から来なさい」

「え、なんで?」

「とにかくこの車に乗って!」



わけが分からないまま、言われた通りにお母さんと車に乗り込む。



「牧原、出して良いわよ」

「はい」



車がゆっくりと動き出す。



「お母さん、どこ行くの?」

「決まってるじゃない。おめかししに行くのよ♪」

「おめかし…?」



なぜかお母さんは、楽しそうだった。



だけど、



「…姫央、どうしても嫌なら断ればいいのよ?」



って、急に真面目な顔して言った。



「…分かってるよ」