2人の間を隔てている扉が大きく開くとばかり思っていたのに。 その隔たりは思っていたよりも頑丈らしい。 先ほど作られたばかりの小さな隙間から すごい形相でこちらを睨んでいる。 「なんなの、その態度。」 「・・・。」 無視だし。 無視したし、この子。 なんでこんな仕打ちを受けなきゃなんないんだろう。 目の前の子は相変わらず睨んでくるし。 「何してんの。おいで。」 さっきはまさかと思ったけど、もしかしたらもしかするかもしれない。 この子意外と従順な犬なのかも。