S極*N極〜彼女と彼と彼女の物語


蛍斗くんが何て言って、どんな行動をとったのかわからない。


だって私は、それを聞く前にマリカの手を取り走り出していたから。


「ぇ、ちょ、爽湖⁉︎」


急に駆け出した私に困惑しているマリカ。



「結構、時間やばかったから……」



私は、精一杯声が震えているのがバレないようにそう言った。



震えているのに気がついたのか、それとも何かを悟ったのか、それから教室に着くまでマリカは何も言わなかった。