サンドリヨンは微笑まない


そこに座ってキャンバスを少し覗く。


「描いてるの、無生物なんだ」

「今回は」


少しホッとした自分に、嫌悪感。

遼は持っていた鉛筆を置いて体をこっちに向けた。


「試験、どうだった?」

「うん…まあまあ」

「明日の教科の自信は?」

「全くない」


自信もって答えんなよ、と遼が苦笑いする。

本当にないものはないんだから仕様がない。数学も入ってるし。

一年生二回目とはいえ、試験がこんなに緊張するものだって初めて知った。

「昼飯、それだけ?」

「いつもこれ」


パックの蓋を開けてドレッシングをかける。