欠伸をしながら教科書を開く。 試験の範囲をメモした紙と睨めっこ。 「英語の担当、誰?」 「川本先生っていう、字の綺麗な男の先生って言って…分かる?」 「ああ、まだその人居たのか」 「うん?」 薄々感じてはいた。なんか遼の言ってるのって高校の先生とリンクする所がたまにあるなあって。 でも分かるようになったらそれくらい普通なんだと思ってた。 「うちの卒業生…?」 「ああ、俺も高校入ったころは何もしない馬鹿だった」 確かにあたしが入れたレベルの学校。 今の遼では考えられない。