学校の勉強が進んでいた。 何も珍しいことはなくて、行ったその日が期末試験だということにあたしの心臓は止まりそうになった。 もうちょっと入院しとけば良かった! 涙ぐみながら分からない問題を解いて、終わった時には灰のようになっていた。 「網島さん、その傷どうしたの?」 「それって精神的な傷の方ですか…」 「違う違う、瞼とか、顎も少し掠れてる」 伊月さんが顔を覗き込んでくる。 本当のことを伝えようかと思ったけれど、やめた。 あたしの過去は、岸田さんが全部隠してくれたんだから。