のぞみさんを連想させるもの。
あたしは、遼を嫌いになっても尚、のぞみさんに縛られ続ける。
聞かない子供のように鞄を持って玄関の方へ進もうとすると、後ろから二の腕を掴まれた。
「この前は逃したから」
「え?」
「もう逃さない」
「遼ってずるいよね。そう言っても、あたしが拒めないって分かってる」
どうして。
なんで、上手く行かないの。
こんな風に痛くなるくらいなら、遼のことなんて忘れたかった。
「じゃあ拒まなくて良い」
あたしより高い身長が屈む。唇に触れられたそれを、今度こそあたしは受け入れてしまっていた。



