サンドリヨンは微笑まない


な、なんで笑ってるの。


「勝手だよ、遼。好きじゃなかったくせに」

「ああ、今知った?」


何それ、狡い。

その言葉は、ゆるく唇を滑った柔らかい感覚の飲み込まれた。

…うそ。

いや、嘘じゃない。これは現。

目を見開いたままのあたしの視界には、遼の意外に長い睫毛。


「…う、ん…ん」


後頭部をがっちり掴まれたわけじゃない。

でも、両手が繋がれている。指が絡まっている。

後ろに引こうとも、出来ない。

遼の舌に歯列をゆっくりなぞられた後に、解放された。