サンドリヨンは微笑まない


にこにこと笑うのぞみさんに、元気を吸い取られるように、あたしの口端が上がらない。


「本人ここに居るんですけど」

「だから陰口じゃありませんー」

「それ悪口だろ」


心なしか優しく溜息を吐く遼。

いけない、これは変なフィルターがあたしの目にかかっている。

目を擦っていると、「大丈夫か?」という遼の声に頷いた。


「あ、あたしホタルちゃんと話したいことあるんだよね。遼、先に部活行ってて」

「二人とも初対面じゃねーの?」

「女子トークだから。男子禁制」


のぞみさんの言葉にあたしはどきりとして。遼は仕方無さそうに先に階段を下りていった。