サンドリヨンは微笑まない


溜息が吐かれる。

腕をやんわり外して、のぞみさんのとこ行きなよと言おうと思った。


「縒り戻したのとかって変な笑顔作りながら言うから腹立ってんの。あんた本当に俺のこと好きなのかよ」

「…普通」

「…は?」


目を逸らす。核心に触れられたら、泣く自信があった。


「遼…! 何で急に走るの!?」


今だってほら。

可愛い格好したのぞみさんと遼が並ぶのを見るだけで、泣ける。


「あ、わるい」

「ほら早く美術部行こうよ…あ、ホタルちゃん?」


あたしは制服で、しかも留年もしていて。