はい、と頷く。
岸田さんは何も言わない。
勉強のことも、学校のことも、家のことも言わないでくれている。
駐車場から出て、一階の化粧室まで歩いた。
涙かと思ったけど、汗。酷い顔。
顔を洗って、メイクをし直す。
それから事務所の階に戻る為にエレベーターま待っていると肩をつんつんとつつかれた。
「久しぶり」
「あ、こんにちは」
「こんにちは、出世したね。ヨツカイさんのショーに呼ばれるなんて」
そこに居たのはこの前もあたしを撮ってくれた…そう、小倉さん。
ネームタグを見て思い出した。
そして、隣に背の高い男の人。



