サンドリヨンは微笑まない


窓際のカーテンは閉められていたけれど、隙間から入るまだ暑い日差しに、伊月さんは溶けてしまいそうだった。


「大丈夫?」

「大丈夫、軽い貧血。親が煩くてね」

「そっか、本当に良かった。花は任せてね! あたしと小野寺くんで全部片付けます」


えへんと胸を張る。

それを見て、少し笑う。その笑みが透き通っている気がして、病院て不思議な所だと感じた。

何たって白が多い。

ゆらり、とあたしの心の奥底に沈む黒が湧き出そうで怖くなる。


「うちの親、私にだけ心配症で」


最近、伊月さんはあたしに話してくれることが増えた。