サンドリヨンは微笑まない


ほら、伊月さんは心配してくれていた。


「伊月さん、芦花ちゃんとは一緒に住んでないの?」

「お姉ちゃんは祖母の家に住んでる」

「へえ」


みんなが居ない所なら芦花ちゃんの話はして良いみたい。

どの教室も文化祭準備で忙しいみたいで、廊下に広がった段ボールや木材を避けて通る。


「私が妹だってこと、知られてお姉ちゃんの評判落としたくないし。今はネットとかでもすごい叩かれるからね」

「あたしは、伊月さんが友達だって知られても全然構わないよ?」


きょとんとした顔をこっちに見せる。うん? と小首を傾げれば、照れ隠しみたいに肩をぶつけてきた。