サンドリヨンは微笑まない


その前に、テーブルに名刺が出される。


「スノードロップって…」

「そ。一回無くなった俺の母親の事務所」

「モデル事務所ですよね?」

「流石にキミみたいなのを秘書にするような会社は少ないよね」


口を噤む。ええ、言い返せませんとも。


「ヒライヒナタ、平らな井戸に陽が向くって書くの。そして私の大学のサークルの先輩…!」


岸田さんが戻ってきたかと思えば、アイスコーヒーを四人分持って、平井さんの隣に座った。流石マネージャーだ。

「あ、すいません、ドリンクバーひとつ追加で」

「はい、かしこまりました」

近くを通りかかったウェイトレスさんに言うのも忘れず。