サンドリヨンは微笑まない


目を瞑って考えてみる。

ほら、と膝を弱い力で叩かれた。


「携帯鳴ってる」

「あ、うん」


手を頑張って伸ばして鞄から携帯を取る。着ただった。しかも岸田さんから。

え、今日オフだよね?

ちら、と遼を見る。出ていーよ、と口パクで伝えてくれて、遼は立ち上がってキッチンの方へ行った。


「もしもし」

『もしもし。ホタル? 今から時間あるよね? 焼き肉食べに行かない?』

「えっと、今遼と一緒で」

『一緒に連れてきなよ。社長の奢りだって!』


それから場所と時間を言い残した岸田さんは、一方的に電話を切った。強引て恐ろしい。