サンドリヨンは微笑まない


遼の記憶能力が半分欲しい。

するよりされた方が覚えてるっていうのに、どうして覚えてないんだろう…。

そんなで夕方までに数学の課題が終わった。


「終わった…! 数学の壁を跳び越えた」

「あんたの場合跳び越えたっていうより、登り越えた、だな」


なんと言われてもこの解放感には打ち勝てるまい!

足をベランダに投げ出したまま床に寝転ぶ。水は疾うに温くなっていて、二人ともタライの淵に足をかけていた。

もうヒグラシが鳴いている。

お腹空いたな、そういえばそくせきめんって何だろう。