サンドリヨンは微笑まない


タライの中に足をつけて涼んでいると、アブラゼミの鳴き声が一際大きく聞こえた。

近くにいるのかな。

部屋の中の冷気が外に出て行く。

体育とかで男子がやってるみたいに、半袖を肩まで捲ってみた。意外に涼しい。

遼起きてられるかなー、課題が終わらずに夏休みを終えるのは良くない。

足の指と指の間から水が零れる。

ひやり、と肩に何かが当たって息を呑む。


「この傷、なに?」


あたしの方が驚いてるのに、遼が驚くような顔を見せていた。

触れられている指先に傷。

自分でギリギリ見ることの出来るそれは、古傷。