サンドリヨンは微笑まない


ほんとにごめん、と謝る芦花ちゃんに首を振る。それにあたしの自業自得であるうえに、あまり留年のことに関して傷付かない自分がいる。

学校だと寂しくも感じるけれど、こっちでは何年生というより歳だけで判断される。


「そういえば、スノードロップの社長さん、うちの事務所に来てたよ」

「え、なんで?」

「スキャンダルだよ、スキャンダル」


声を潜める芦花ちゃん。プラスチックのカップについた水滴がひとつ、落ちる。

スキャンダル?


「熱愛報道みたいなの?」

「そうそう。うちの事務所の人と、ホタルちゃんのとこの藤堂さん」