サンドリヨンは微笑まない


遼は話を続けるけど、歩みは止めなかった。


「ああ、大堀ってあんたを妹だなんだって散々言ってた奴」

「ん、覚えてる」

「それで、俺が別れてから大堀が望美に告って、それからあの状態に至る」


あっさりと終わったその状態の説明に、遼の心情は入ってこなかった。

表情を窺う。


「遼?」

「ん?」

「のぞみさんのこと、まだ好きなんでしょう?」


通りを車が走っていく。

花火大会がないときは、この街は本当に閑静で長閑。

ふ、とその表情が弛む。


「大堀はさ、本当に善い奴で」


質問に答えないで言う。