サンドリヨンは微笑まない



帰り道、道は思ったより混んでいなかった。


「あそこ、望美とは来てない。最初から雨だったから、結局一緒にこなかった」


帰りは、なんとなく手を繋いだ。

肩を抱かれるより密着しなくて良いけど、手から全部が筒抜けなようで、油断ならない。

今更、もう何に油断するのかって感じだけど。


「一昨年は?」

「その頃はまだ付き合ってなかった。まあ、去年だって受験生の割によく花火見ようとか言えたもんだよな」


自嘲するように笑う遼。

その目は、懐かしいように遠くを見ていて。

あたしには、何も見えなかった。


「今年も、誘えば良かったのに」

「今年はねーよ」