サンドリヨンは微笑まない


二人だけしかいない屋上は、駅や陸橋とは大違い。


「なんでこんな良い場所知ってるの?」

「さあ?」

「あ、わかったー、のぞみさんと来たからだ」


軽く言う。

図星だってことは分かるから、遼の方は向かなかった。あたしだって、そんなに強くない。

なんとなく、気付いてはいたから。

去年は雨だったって、よく覚えてるなって思ったし。


「なんであんたが望美のこと知ってんの?」

「え、元カノじゃないの?」

「そうだけど、俺名前まで言ったっけ?」

「言ってたよ。あの人でしょう、あたしが遼の大学行ったときにアクリル絵の具借りにきた」