サンドリヨンは微笑まない


これは女としての意地だ。

少し間があって、手首が離れた。少しホッとして、少し寂しい。

矛盾した気持ちに混乱を起こす前に、ガッと肩に腕がかけられた。

…うん?

左側に密着した遼の右側。


「あー…あんた背高いから肩がちょうど良い」

「はあ!?」

「煩い」


心底嫌そうな顔で言われた。

距離が、近い。

さっき言わなかったっけ。近づかないでって、化粧落ちてるって。

引きずられるようにして歩き出す。遼の足を踏まないように必死になりながら。

陸橋には沢山人がいた。それを横目に、まだ歩いていく。