サンドリヨンは微笑まない


その音に、あたしの心もぎゅうぎゅう責め立てられる。


「だな、で。なんか言うことは?」

「遅れてごめんなさい…」

「大遅刻女網島螢。って表札の下に貼っといてやろうか」

「どうぞ…」


貼られても文句言えない。

それで満足したのか、遼は何も言わなかった。

その代わりにあたしの手首を掴んで時計を見る。


「ちょ、離しそう、ね? 離そう」

「あと三十分なら間に合う。あ? なんか言ったか?」

「あたし、汗臭いし。化粧も落ちてるから、あんまりこっち見ないで」


見るなんて自意識過剰だって分かってるけど、本当に!