でもほら、良かったかも。
走ってきたから汗臭いし、化粧落ちてるし。
ネガティブに引っ張られそうな気持ちを無理矢理こっちに引き寄せる。
「だから、なんであんたが泣くんだよ」
前から顔を覗き込まれる。
心臓が止まった。一瞬だけど、確実に止まった。
ピタリと涙やらネガティブやらも止まる。
「こんな暑い日にこんな人混みの中三時間も待たされた俺の方が泣きてーよ」
「は、遼…なんでここに?」
「なんでって、一緒に行くって約束しませんでしたか螢さん」
「したけど、だって時間すっごい過ぎてるし。花火だって…」
ドーン。会話の合間にも花火は止まらない。



