サンドリヨンは微笑まない


車で渋滞にひっかかりながら行くより、電車の方が早い。

ギリギリ走り込み乗車をして、肩で息をしながら携帯を持つ。言い忘れたことがあった。


『事務所には明日顔を出します』


送信、と押してから気づく。

そうだ、遼にもメールを…とまで考えて沈む。

アドレスどころか番号も知らない。

深く息を吐いて近くの空いていた席に座った。

周りはプールか海に行ってきた子供を挟んで座る親子とか、遊園地帰りの中学生とか。

みんな夏休みを満喫してるんだな…。

てゆーか、あたし何してるんだろう。

約束の時間、過ぎちゃったのに。