負けるか…! とよく分からない闘争心が生まれる。 それより早く誰か助けてください。 周りを見るけれど、平日の皆さんは忙しく働いていたりサボっていたりゴミ拾いをしていたり。 目に入った人が居た。 違うかな、ううん、間違ってても良いから助けて。 「チョコレートの人!」 あたしが大きな声を出したのを聞いて腕を掴んでいた人の足が止まった。 いつかの夜、あたしにチョコレートを差しだしてくれた人、に似た人が見える。 彼は一瞬こちらを見て、少し面倒くさそうに逸らしてから、結局こっちに来てくれた。