サンドリヨンは微笑まない


芦花ちゃんと別れて、岸田さんを見つけた。

随分慌てているようで、あたしを探していたなら申し訳なかったと思う。

今は。


「ホタルの着てたワンピースのデザイナーさんが、他のもホタルに着てほしいって言ってるの。これからその打ち合わせするの」

「え…これから、ですか?」

「うん、なんか予定入ってた?」


入ってますとも。

大事な大事な花火大会!

でも、事務所の、あたしをスカウトしてくれた平井さんの顔に泥を塗ることはできない。

藤堂さんが、無理をしてでも入ったあの事務所に。


「いえ…出ます」


ごめん、遼。