サンドリヨンは微笑まない


あたしは、あたしの出来ることをする。

頑張れるよ。


「そこ、好きなように歩いてね」


言ったのは、最初に事務所で撮ってくれた女のカメラマン。

はい、と返事をする。岸田さんが向こうで心配そうにこちらを見ていた。

冬の寒い日。
それでも外に出掛けたくなるのは、どうして?

想像する。

くるり、と振り返る。

きっと、その服を着て、行きたい場所があるから。

カメラの向こうには、芦花ちゃんも酒匂さんも居た。

あたしを見て、羨ましがれば良い。

さっき、あたしが酒匂さんを見て羨ましく思ったように。

そのとき浮かべたあたしの表情が、どんなに挑発的だったかは、まだあたしは知らない。