サンドリヨンは微笑まない


パラパラとページを捲りながら、自給の良い仕事に目を通していく。

資格がなくて、未経験の人も歓迎していて…。


「おねーさん、今暇?」

「暇じゃないんで」

「ちょっとお茶くらいしようよ」


ね?

ハスキーボイスが思考の邪魔をする。

しかも雑誌も取り上げられた。

一緒に手を伸ばすと、小さい子がおもちゃを取り上げられた時の画みたいだ。


「返してください」

「良いじゃない。キミにぴったりな職を知ってるよ」


見えたのは真っ赤な唇。

自信たっぷりな笑みが目に焼きつく。