ちょっと引き気味にその手を見て、遼は答える。
「大学の最寄りが同じだからたまに会う。この前会ったときは、あんたが忙しくてオフがないってことくらいしか話してない」
まあ、確かに遼と岸田さんの共通の話題といえば、自意識過剰ではなくあたし以外に思いつかない。
今度遼が岸田さんと会う頃には、岸田さんがあのことを綺麗サッパリ忘れていますように。
あたしを嫌いな神様にお願いをしておく。
そこで、あたしのお腹の虫が鳴る。
呆れるを通り越して遠い目をし始めた遼の手を離そうとしたら、逆に痛いくらいに握られた。
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