サンドリヨンは微笑まない



別にグラビアとかヌードが駄目だとは少しも思ってはいない。

ちゃんと出版されるものはそれなりにお金をかけてきちんと買う人だっている。

でも、あたしはそういう方向に進みたいわけじゃない。

岸田さんに声をかけられた時、夢を見てしまった。

誰かが思いを込めて作った服を着て、ランウェイを歩く自分の姿。

そんなことは、また夢の夢になってしまったのだけれど。


「これからどうしよっかなあ」


どうしようもこうしようも、まずはアルバイトでも良いから働く場所を見つけなくては。

パート募集のフリー雑誌を持って、駅のベンチに座る。