ホウキと、首飾りを持ち、家を
飛び出した美夢が向かった先は…。

『お爺ちゃ~ん』

そう…美夢が暮らす村の
村長の家…。

『美夢…?どうした…?
そんなに慌てて』

『お爺ちゃん、私ね、旅に出る
初恋の人にもう一度会いたいの』

美夢の呼び声に、部屋の中から
出てきたのは、40歳前後の
無精髭の似合う男の人だった

『そうか…旅に…その中で
知れるといいな…お前の両親の事を』

『そうだね…ちょっと忘れてた
別にいいんだけど、私の親は
お爺ちゃんだから』

美夢は、少し寂しそうに
呟いたが、すぐに笑顔を浮かべ
村長に手を振った…。

『じゃあね…お爺ちゃん
行ってきます~』

美夢は、振り返らずに
村を出て行った…。